■ BEST1 中 越なかこし    石北本線(北海道) '94.5.9下車

停まる列車は一日わずか一往復。だからこの駅を制覇するには片道は歩かざるを得ない。その距離は延々十数キロにも及び、下車にこれほど苦労した駅は他にない。駅は上川支庁と網走支庁の境界付近に位置する深い山間地域にあるが、付近の住民はすべていなくなり朽ち果てた廃屋がパラパラと点在するだけのゴーストタウンの駅で、もはやこの駅に存在価値は認められない。利用者は皆無で一本だけ列車を停めて駅を残しているのが不思議なくらいだ。何日振り、いや何ヵ月振りかに乗り降りした乗客に、駅も列車も驚いたに違いない。
(惜しくも2001年6月30日限りで廃駅となりました)

 
■ BEST2 坪 尻つぼじり    土讃線(徳島県) '94.4.18下車

JR四国は徹底的な駅のリフレッシュ化を行ない、駅舎のある駅のほとんどすべてにおいて取り壊しや建て替え、改築など何らかの手が加えられた。だが香川県と徳島県の県境付近の山中にあるこの駅だけはなぜか手を加えられた跡が全くと言っていいほどなかった。周囲には一軒の家もなく、すぐそばには切り立った断崖に水量豊かなきれいな川が音を立てて流れている。利用者がほとんどいないため、見捨てられてしまったのだろうか。四国では唯一といえる荒れるにまかせたオンボロ駅舎ということで、この駅の印象はひときわ強い。数少なくなったスイッチバック駅のひとつであることも、この駅のよさを際立たせている。

 
■ BEST3 上雄信内かみおのっぷない    宗谷本線(北海道) '93.6.23下車

線路脇に列車に乗るための台のようなちっぽけな板切れのホームが一本申し訳程度にあるだけの粗末な駅。この手の駅は北海道では珍しくないが、なんとこの駅には駅に通じる道というものがない。駅の周りはすべて牧場、というより牧場の中に駅があるという感じで、駅を降りてもすぐに牧場の柵に行く手を阻まれておしまい。ここからどこかへ行くには、柵をくぐり抜けて牛に気を遣いながら牧場の中を突っ切って行く以外にないのだ。北海道ならではのスケールの違いに、さすがにぶったまげてしまった。
(惜しくも2001年6月30日限りで廃駅となりました)

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