2001 3 6 (火)
晴れ |
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◆◆◆ 二つの顔を持つ豊橋鉄道 ◆◆◆ |
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渥美線の起点となる新豊橋は、JRの駅から少し離れている |
「18きっぷ」を上手に使えば、格安の値段で日帰りの地方遠征が可能だ。今日は豊橋から出ている豊橋鉄道29駅すべてを一気に片づけてこようと思っている。朝一番の東海道線に乗れば、10時前に豊橋に着く。豊橋鉄道は、渥美半島の中央部、三河田原までの18キロを結ぶ渥美線と、市内を走る路面電車の東田本線との2路線から成るが、それぞれ乗り場は離れていて、別の会社のような雰囲気だ。駅前広場のすみにある新豊橋から発車するのが渥美線で、まずはこちらからやっつけていこうと思う。1100円で線内が一日中乗り放題となる「渥美線一日フリー乗車券」を売っているのでとても助かる。ここから乗った時点で今日の一駅目となる新豊橋は制覇となる。 |
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沿線で古い駅舎が残っているのは柳生橋だけ |
となりの柳生橋まではわずか1キロ、その次の小池までが800メートル、さらに次の大学前も700メートルと駅間距離は大変短く、運転間隔も15分おきと完全に都市路線並みで、ローカルムードはあまり感じられない。最初に降りた柳生橋こそ古めかしい駅舎に風情を感じたものの、その後の駅は軒並み新しくなっていて、ちょっと期待外れだったようだ。半分以上が駅舎のない簡素な造りの無人駅だが、ホームにある小さな待合室は、だいたいどの駅も同じ造りで同じ色というのが多く、個性があまりないため記憶には残りにくい。だが個性がないというのもそれはまたひとつの個性なのかもしれず、その中からわずかな違いを見つけ出すことに生き甲斐を感じたりもする。 |
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終点に近づくにつれ簡素な駅が増えてくる 杉山にて |
芦原を過ぎるあたりから、ビニールハウスが並ぶ田園風景が広がるようになり、次第に旅のムードが高まってくる。同じ形をした駅であっても、市街地にあるのと田園地帯にあるのとではおもむきが異なり、時間の経ち方も違ってくるようだ。うららかな春の日差しを受けながら駅でのんびり列車を待つひとときはやっぱりいいもので、駅めぐりの醍醐味を実感することになる。終点の三河田原に着いたのは午後2時近く。起点の新豊橋から18キロしか離れていないが、やけに遠くまで来たように思えるのは、やたらと駅が多かったためだろう。ひとまずこっちは終わった。 |
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階段を昇り降りしなくていいのが路面電車の魅力 市役所前にて |
新豊橋まで戻り、引き続き東田本線の制覇に取りかかる。東田本線という名称はあまり馴染みがないようだが、市民から市電の愛称で呼び親しまれている路面電車のことで、豊橋の駅前から発車している。こちらも400円で一日乗車券を売っているのは有難く、3回乗り降りすればもう元が取れてしまう。わずか5.4キロのミニ路線だが、計13もの駅があり、早くも闘志が湧いてくる。路面電車の制覇は岡山に続き二度目だが、単調ではあるものの、意外と面白いことが分かっている。階段を昇り降りする手間もなく、地面に触れたとたんに制覇となるため、ゲーム感覚で楽しむ要素が強い。もっとも、駅そのものに対する魅力はほとんどないのであるが。 |
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安全地帯のない東田 駅と呼ぶには無理があるような… |
駅といってもバス停のようなもので、となりの駅までの近さはさっきの渥美線の比ではなく、200メートルなどという所もある。電車を待つ時間を考えれば歩いた方が早そうだが、乗り降りすることが目的なので、そういうわけにはいかない。安全地帯のない単なる道路の上、という電停もあり、どう見てもこれを駅と呼ぶには無理があるようにも思えるが、ルールで決めたことなのだから、ちゃんと一駅としてカウントする。ばかばかしさもここまで来るとかえって楽しくなってくるから不思議だ。それにしても、5分も歩けば着くというのに、わざわざ電車に乗って移動する私の行動を、運転士や他の乗客はどんな目をして見ていたのだろうか。 |
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終点の赤岩口には「市電」の車庫がある |
道路の信号機に従い、また前に自動車が詰まっていると停まってしまう併用軌道のため、電車は時刻通りに運行するとは限らず、二本立て続けにやって来ることも珍しくない。そこが他の鉄道との大きな違いで、駅めぐりにも適度な刺激をもたらしてくれる結果ともなる。写真を撮るのに夢中になり、夕暮れ時までかかってしまったが、何とか明るいうちに片づけることができ、予定通り豊橋鉄道の完全下車は達成した。いつものことながら、この瞬間はたまらない。あとはもう帰るだけ。今日の交通費は3800円。この前の大阪より高くついたとはいえ、格安なことには違いない。それにしても「18きっぷ」は偉大だ。 |