2001 9 25 (火)
晴れ |
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◆◆◆ 時間に余裕があればそれだけ旅は充実する ◆◆◆ |
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起点の大鰐はJRと駅舎を別にするが、中でJRとつながっている |
弘南鉄道大鰐線は、JRの大鰐温泉駅に乗り入れている。JRの方は平成3年、大鰐から大鰐温泉に駅名を改称したが、弘南鉄道の方は今でも大鰐のままだ。ここを起点とする大鰐線は、JR奥羽本線に並行する形で、弘前市の繁華街、中央弘前までの13.9キロを結んでいる。駅の数は13で、今日は一日かけて、のんびりとこの大鰐線を片づけようと思っている。悔しいことに、10月6日から14日までは、「鉄道の日」を記念して一日券を発売する旨の貼り紙がしてあり、いきなり出鼻をくじかれてしまう。値段は片道運賃相当額の390円で、もう少し早く分かっていればと地団駄を踏んでしまった。しかし今さら出直すわけにもいかず、予定通り歩きを併用しながら行くしかない。せめてもの抵抗に、1000円で1100円分の切符が買える、金額式の「セット回数券」というのを使うことにしたが、節約の効果は一日券には遠く及ばず、たいした気休めにはならない。 |
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津軽大沢には車両検修所があり、駅の窓口では切符も売っている |
弘前まではJRで12分、230円だが、弘南鉄道だとそれぞれ30分、390円かかる。これだけ見るとJRの方に軍配が上がりそうだが、日中でも40分間隔で運転している弘南鉄道に対し、JRは朝8時21分の次が14時22分と実に6時間もの間普通列車がなく、列車ダイヤは圧倒的に弘南鉄道の方が便利だ。両社を単純に比較することはできないけれど、JRは途中に駅が一つしかないことでもあり、こまめに乗客を拾って行く弘南鉄道の方が、より地域に密着していると言えそうだ。一日券の恩恵にあずかれなかったので、一駅ごとに乗車と歩きを繰り返す。出発を10日あまり遅らせておけばこんな思いをせずに済んだのに、と恨めしくなるが、となりの駅までは1キロ前後と短いので、そう大変なことではなく、どうせ13駅しかないのだから、急いだところであまり意味はない。JRと違い、最大でも40分待てば次の列車をつかまえられるので、さほど時間を気にしなくても済む。 |
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ホーム一本の簡素な駅でも古い造りにはそれなりの味わいがある 小栗山にて |
沿線にはりんご畑が広がり、それを横目にトコトコ歩く気分はなかなか爽快で、こういうのも悪くない。時間がたっぷりある今日は、次の駅まで何分で歩かなければならない、といった制約もなく、極めて解放的な旅が満喫できる。駅自体にもかなり風情があり、歩き疲れた体を休ませるのには絶好の環境でもある。コンビニ等がなく、なかなか食事にありつけなかったが、千年の駅前に喫茶店を見つけ、これ幸いとばかりに昼食を兼ねてたっぷりと休憩を取ってみる。しばらく読んでいなかった新聞にも目を通し、かつてないほどの贅沢なひとときに酔いしれる。これまでの慌ただしい駅めぐりからはとても考えられないことで、記録ばかりにとらわれる都市部の駅めぐりがばかばかしく思えてくる。今回の旅も3日目にあたり、普段のペースで駅めぐりを決行していたら、そろそろ限界に達しているところだろう。「急がば回れ」という諺は、こういうことを意味しているのだろうか。 |
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中央弘前の駅はJRの弘前駅から徒歩15分くらい離れた所にある |
りんご畑が目立った沿線だが、終点の中央弘前が近づくにつれ、住宅密集地へと変貌していく。駅で見かける乗客も次第に多くなり、こういった変化の実態も興味深いところだ。中央弘前は、JRの弘前駅から歩いて15分くらい離れた所に位置する行き止まりの終着駅で、乗降客は線内で最も多い。ここまでたどり着くのに8時間も要してしまったが、その充実ぶりはかつてないほどで、駅の印象とともにしっかりと脳裏に焼き付いている。ただ、駅制覇の条件を満たすのには最低でも7回の乗車が必要となり、その都度支払う180円の初乗り運賃は、合計金額にすると結構な出費となってしまった。長い眼で見れば些細なことかもしれないが、あと10日あまり経てば、今日とまったく同じ行動をとったとしても、390円で済んだのだから、それを思うとやっぱりしゃくにさわる。変なところにこだわるのは、持って生まれた性格のようで、ちょっと悔しい一日ではあった。 |