2001
12
11 (火)
晴れ |
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◆◆◆ 意外なクセ者伊勢鉄道 ◆◆◆ |
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河原田の伊勢鉄道のホームは築堤上にある 手前は関西本線 |
四日市から関西本線を2駅下った河原田と、紀勢本線の津を結ぶ全長22.3キロの伊勢鉄道は、昭和62年に国鉄伊勢線から転換された第三セクター方式の鉄道だ。昭和48年、関西本線と紀勢本線をショートカットする目的で開業した国鉄伊勢線は、その性質上、紀勢本線の一部とみなした方が自然だったが、伊勢線という独立した名称が付いてしまったため、廃止を前提とする特定地方交通線に選定されてしまったという何とも不可解な運命をたどる。その後伊勢鉄道となった今もバイパス路線としての使命は受け継がれ、名古屋と南紀方面を結ぶ特急「南紀」や快速「みえ」が、線内ほぼ無停車の形で次々と駆け抜けて行く。国鉄から見放された通常の赤字ローカル線とは趣が異なり、なかなか興味深い路線ではある。今冬の「18きっぷ」の一日目は、この伊勢鉄道の訪問に決め、「ムーンライトながら」を乗り継いで、11日早朝、河原田のホームに関西本線から降り立った。 |
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徳田の駅前には無人の畑が広がるばかり |
バイパス路線としての要素が強い伊勢鉄道だが、昼間でも一時間に一本は各駅停車が走り、沿線住民の足としての機能も確保されている。しかしもともとバイパス路線として建設されたため、沿線の人口は少なく、昼間の各駅停車の乗客は、せいぜい2〜3人というありさまだ。車両は小型のレールバスタイプのワンマンカーだが、それでももったいないくらいの利用者しかなく、一見すると大赤字のように思えてくる。だが、大部分の駅を通過する特急「南紀」や快速「みえ」は、かなりの利用率があり、通常の大型車両を何台も連ねて走り去って行く。つまり伊勢鉄道の旅客収入は、これら線内の通過客によって大部分占められているという、他ではあまり例を見ない路線なのだ。レールバスは、律儀に一駅一駅停まっていくが、途中の駅で乗り降りする人はほとんどいない。沿線の宅地開発はあまり進んでいないようで、無人の田畑が広がるばかりの駅前風景も珍しくない。 |
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素っ気ない駅で長時間列車を待つのはあまりいいものではない 河芸にて |
そこそこ本数は多く、また途中に8つしか駅がないのにもかかわらず、意外にも駅めぐりは大変だ。一日券がないため、一駅歩きを取り入れたいところだが、山があっても迂回せず、トンネルをブチ抜いてまっすぐ進むバイパス路線のため、駅間距離は短くても、歩くとなると、道路はかなり大回りをしている場合が少なくなく、次の列車が来るまでに、となりの駅まで歩き着ける保証がないのだ。その道も分かりにくく、それならば無理して歩かずに次の列車を待った方がいい。ところがそうすると、次の列車まで時間があり過ぎてしまうのだ。風情のある駅ならそれでも構わないのだが、ほとんどの駅が駅舎も待合室もない素っ気ない造りで、ただ虚しく風が吹き抜けるだけなのだ。上下の列車がすれ違う駅では列車の組み合わせも思うようにいかず、「南紀」や「みえ」が何度も通過していくのを恨めしげに眺めながら、ただじっと次の列車が来るのを待つしかなく、さすがにこれではうんざりしてしまう。 |
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トイレもない簡素な駅が大半 伊勢上野にて |
駅は無造作に設置されている感じで、駅前に商店やコンビニの類は見当たらず、食料の調達はまず不可能と言っていい。おまけに駅にも列車にもトイレがなく、「非常事態」にはパニックに陥りそうだ。幸いそういう危機には遭遇しなかったが、駅めぐりを甘く考えると、大変なことになりそうだ。もっとも、わざわざ駅めぐりを試みる変人などいるわけがないのだから、本当はたいした問題ではないのだが。結局全駅制覇するのに7時間近くもかかってしまい、それだけでもかなり悲惨な一日だったといえる。ただ、見晴らしのいい高架線を高速で駆け抜けて行くので乗り心地はよく、乗っている分には快適な旅が楽しめる。今日の駅めぐりは惨たんたるものだったが、それもやってみなければ分からないことなので、決して無駄な一日とは思わない。毎日こんなのばかり続いては、さすがに耐えられないだろうけれど、これも旅の思い出として、いつの日か懐かしく思い起こせれば幸いだ。 |