2003 2
12 (水)
晴れ |
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◆◆◆ 地下鉄の辛さはどこへ行っても変わらない ◆◆◆ |
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人を入れずに写真が撮れるタイミングはなかなかない 博多にて |
ラッシュのピークを迎えた午前8時半過ぎの博多駅構内は、人、人、人でごった返し、その混雑ぶりは東京のそれと変わらず、旅先にいることを忘れてしまうほどだ。九州紀行も4日目に入り、すっかりのんびりムードが板に付いた身には、戸惑いすら覚える。今日は福岡市営地下鉄を予定しているため、一日中この雑踏の中で過ごさねばならず、始める前から気が滅入ってしまう。しかし全駅制覇をめざすからには、避けて通ることのできない関門であり、またこのような試練を乗り越えていく尊さも、全駅制覇の醍醐味であるといえるのだ。最も苦手とする地下鉄ではあるが、東京や大阪に比べればその数は微々たるもの。この程度で挫折するようではとてもこの先続けることなどできない。一日券があることだし、電車は次々とやって来るのだから、自分に合ったペースで進めばいい。緊張感に乏しく、張り合いはないけれど、とにかく前進あるのみだ。 |
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平成5年には福岡空港まで路線が延長された |
福岡の地下鉄は、昭和56年7月に室見−天神間5.8キロが部分開業したことに始まり、その後徐々に路線を伸ばし、現在は空港線と箱崎線からなる計17.8キロの路線となっている。開業当初は目立たない存在だったが、昭和58年の姪浜延長からは国鉄筑肥線との直通運転が始まり、また昭和61年の貝塚延長によって西鉄宮地岳線との接続が図られ、連絡線としての機能も高まった。さらに平成5年には福岡空港まで乗り入れるようになり、大変便利な交通機関として福岡の町に定着した。もともと市内には、西鉄の路面電車が走り回っていたから、その代役という見方もできる。今は高層ビルが林立し、駅前の道路には車が洪水のごとく行き交っているが、そんな建設の歴史を振り返りながら、あるいはまた、かつてはここに路面電車が走っていたことなどを想像しながら進めば、この無味乾燥とした駅めぐりも、少しは気が紛れるような気がする。 |
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出入口はあちこちにあり地上に上がってくるだけでも大変 藤崎にて |
けれどもやはり地下鉄の駅めぐりというのはそんなに甘いものではなく、半分も行かないうちに早くも嫌気が差してしまう。地下は思っていたほど深くはないものの、地上への出口は方々に散らばり、上がってくるだけでも大変だ。エレベータはどこかにあるようだが、いちいち探すのは面倒くさく、手近な出口を利用すると、決まって階段ばかりでエスカレーター完備の出口はほとんどない。登っては下り、また登っては下るという単調な労働を果てしなく続ける虚しさは、それが地下鉄の駅めぐりの特徴だと割り切ってはいても、よほどの根気と忍耐がなければ、とても乗り切れるものではない。視点を変えて、つぶさに観察しながらのんびり行けば、ここの地下鉄ならではの見所というのが、きっと見つかるはずだけれど、それよりもさっさと終わらせてしまいたいとの思いが強く、結局はいつもの地下鉄制覇と同様、地上と地下との果てしない往復を延々と繰り返すことになる。 |
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地上の出入口はどこも同じような造り 呉服町にて |
それでもここは回る駅数が19とそんなに多くないからまだ救われる。一日で到達できる数値なので、先へ進めば進むほど、確実にゴールが近づいてくるのが実感として伝わり、そうなると俄然ファイトが湧いてくる。始めは人の多さにうんざりしたものだが、ラッシュ時を過ぎればそれもたいしたことはなく、マイペースを維持できる。残り数駅というところまで来れば、終わりが見えた歓びで、後はもう辛さなど忘れて突っ走って行ける。そして午後3時くらいには全てが片づく。終わってみれば、意外とあっけなかったというのが感想だろうか。もちろん全然楽しくはなかったのだが。しかし苦手な地下鉄がまた一つ片づいたことで、気分は晴れ晴れとしている。ただ肉体的なダメージは相当なもので、初日にいきなりここを割り当てていたとしたら、今回の旅の行方も大きく変わっていたかもしれない。ともあれ切符の期限はあと一日。この旅もいよいよ終わりに近づいた。 |