2003 7 27(日)    晴れ

 ◆◆◆ 古き良き時代の鉄道風景満載! ◆◆◆ 



起点の石越はなかなか風格のある造り

夏休み期間中の土曜〜月曜のうちの連続3日間は、JR東日本の全路線が新幹線を含めて乗り放題となる「3連休パス」が利用可能なので、それを使って東北地方の駅めぐりに繰り出すことにした。初めの計画では、三陸鉄道へ行くつもりで、昨日の朝一の新幹線で出かけたのだが、宮城県で震度6の大地震が発生し、身動きが取れなくなってしまったため、今日また出直したというわけだ。ところが新幹線は定時に動いたものの、大船渡線や釜石線などは未だに止まっているとのことで、これでは三陸鉄道へは行くことができず、またしても行く手を阻まれることに。もう諦めて帰ろうかとも思ったが、払い戻しができない切符のため、それはあまりにシャクなので、急きょ予定を変更して、くりはら田園鉄道へ行くことにした。東北本線も大幅に遅れていたが、何とか10時頃には石越に着く。この時間から全駅を回るのは厳しそうだけれど、切符は明日まで有効だから、二日に分けて片づければいい。



若柳は古い造りをした駅

くりはら田園鉄道は、平成5年12月に経営が第三セクター方式に移行され、その後平成7年4月に、それまでの栗原電鉄から「くりはら田園鉄道」という社名に変更し、実質的な新しい鉄道としてのスタートを切っている。栗原電鉄時代は電車による運行だったが、車両や変電所の老朽化が著しいため、社名変更時から軽快気動車による運行に切り替えられたのが大きな特徴だ。起点となる石越は、JRの石越駅から道路を挟んだすぐ前にあり、トタン屋根の木造駅舎がデンと構え、思わず胸が熱くなる。ここは栗原電鉄時代に何度か訪れていて、あちこちに古い駅舎があったことをおぼろげながら覚えているから、自ずと駅舎に対する期待が高まる。事実二つ目の若柳でさっそく古い古い木造駅舎に遭遇し、早くも興奮を抑え切れなくなってくる。タブレット閉塞という旧態依然とした運転形式のため、駅員もいて、駅の「原点」ともいえる光景が展開されている。これはたまらない。



小さな駅でも味わい深い駅が多い 鳥矢崎にて

「田園鉄道」の名のごとく、沿線には至る所田んぼが広がり、何とものどかな路線だ。大岡や杉橋など交換設備のない小さな駅は、駅舎のない簡素な造りが大半だが、何十年にもわたって風雨に耐えてきたホームにある木造の待合室が、実にいい味を出していたりして、簡素な駅でも歴史の重みが十分に感じ取れる。そしてタブレットの受け渡しが必要な沢辺や栗駒は、やはり昔ながらの佇まいをしていて、出札窓口で売っている切符も硬券で、この、時代から取り残されたような光景は、今ではそうそうお目にかかれるものではない。簡素な駅がいくつか続いた後、このような味わい深い駅でホッと腰を落ち着かせるというように、駅の回り方もバランスが取れていて、実に理想的な駅めぐりとなっている。想像以上にグレードの高い路線で、行けなくなった三陸鉄道のピンチヒッターとして、軽い気持ちで訪れたことが、申し訳なく思えるほどだ。



終点の細倉マインパーク前は小奇麗な駅舎が建っている

列車は一時間毎の運転と、典型的なローカル線なので、一日で全駅は難しいと思っていたが、上下列車の組み合わせと、駅間歩きとの併用で、かなり効率よく回ることができ、何とか日没までに全16駅を回り切る。初めは二日かける予定だったが、一日で終わるのならそれに越したことはなく、何であれ無事に完遂できたのだから、ここは素直に喜びたい。ただ、乗客があまりに少ないのが気にかかり、経営は一見して苦しいことが見て取れる。今日は日曜日ということもあるが、それを差し引いてもこの少なさは目に余る程で、私一人という便も珍しいことではなかった。要するに旧態依然としたままなのは、裏を返せば設備投資をするだけの余裕がないことの顕れともいえ、この昔懐かしい鉄道風景を、単純に喜んでばかりはいられないかもしれない。しかし個人的な感情から言わせてもらうのなら、やっぱりこのままいつまでも変わらずに残っていてもらいたい。

 

この日の乗下車駅

くりはら田園鉄道
・石越
・荒町
・若柳
・谷地畑
・大岡小前
・杉橋
・津久毛
・大岡
・沢辺
・鳥矢崎
・栗駒
・栗原田町
・尾松
・鴬沢工業高校前
・鴬沢
・細倉マイン
    パーク前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

         
7月20日

7月28日