2005 2 20(日)    晴れ

 ◆◆◆    最後の1駅    ◆◆◆ 



上信電鉄は高崎が起点

ついにこの果てしない旅にも終わりを告げる時がやって来た。すでに心の準備はできているつもりだったが、いざこの日を迎えてみると、さすがに気持ちは高ぶり、あまり平静ではいられなくなってくる。最後の駅となる上州福島へは、高崎を12時28分に出る列車で訪れることにしているため、時間的にはだいぶ余裕があるが、最後のひと時をじっくり噛み締めたいとの想いから、発車の2時間くらい前には高崎に行って待機する。この旅が終わってしまうことが、にわかには信じられない想いだが、高崎駅構内の売店で入手した新聞には、早くも「電車男、全駅制覇だ」「きょう上州福島駅下車で達成」との記事が躍り、いよいよ最後の瞬間が訪れたことを実感させられる。ここは9日前に来たばかりで、もちろんその時と何ら変わったところはないが、ここから最後の駅へ向かう列車が発車すると思うと、特別な愛着が湧いてくるから不思議なものだ。



この日の模様は「とくダネ」が取材

今日は「鉄子の旅」とフジテレビ「とくダネ」の取材を兼ねていて、ここからは彼らと行動を共にする。気心の知れた人達のため、おかげでだいぶ緊張もほぐれたが、それでも時間が来て列車のドアが閉まり、いよいよ最後の駅へ向けて走り出すと、さすがに落ち着かなくなってくる。移動中のテレビ取材は何とか順調にこなせたようだが、目的の駅が近付くにつれ、次第に会話も途切れがちになってくる。緊迫した空気が周囲を覆い、達成の喜びと、終わってしまう寂しさが複雑に入り混じり、様々な思い出が次々とフラッシュバックしてくる。苦しさばかりが続いた地下鉄のことがやたらと脳裏に浮かび、これには笑ってしまったが、それも今となっては懐かしい思い出だ。30分の所要時間がやたらと長く感じられ、このまま時間が止まってほしいという想いにかられたが、そんな気持ちなどお構いなしに、列車はいつも通り坦々と進んで行く。



最後の駅となる上州福島に到着

やがて列車は上州福島に到着する。とうとう最後の1駅となる9843駅目に辿り着き、万感の想いを抱いてゆっくりとホームへと降り立つ。激しく胸は高鳴り、緊張で膝が少し震えたが、何とも言えぬ心地良い興奮に包まれ、感極まる想いでいっぱいになる。追ってくるテレビカメラなど、もはや目に入らなくなり、しばしホームに佇んで、一人悦に入りこの最後の瞬間を心ゆくまで味わってみる。ホームの高崎寄り先端はスロープになっていて、踏切を渡る形でそのまま改札口へと通じている。駅舎は小ぢんまりとした昔懐かしい木造の造りで駅員の姿も見受けられ、最後を飾るには相応しい、まさに思い描いていた通りの理想的な駅だ。そして数分間の沈黙の後、一歩一歩踏みしめるようにしながら改札口へ向かって歩き出す。2000年7月28日の小湊鉄道から始まった私鉄駅めぐりの旅は、本日2005年2月20日、ここ上州福島にて無事完遂するに至った。



盛大な歓迎を受け旅も終わりに

外では大勢の人が待ち受けてくれていて、駅を出たとたんクラッカーが鳴り響き、盛大な拍手と歓声で出迎えてもらえる。最後は少しくらい華やかに終わらせたいと願っていたが、まさかこんなにもたくさんの人が来てくれているとは夢にも思わず、込み上げる想いで思わず目頭が熱くなる。次々と花束が手渡され、記念品までいただき、また同行してくれた笠井アナによる乾杯の音頭に記念撮影と、駅前はちょっとしたイベント会場と化し、少々大袈裟なようにも思えたが、ゴールしたことを実感するには十分過ぎるほどの演出だ。さて、これで日本全国全ての駅に降り立つという大きな目標は果たせたが、駅はこれからもどんどん誕生し続ける。来月早々には、新潟、愛知、兵庫、熊本と、あちこちで新駅の開業が控えている。結局のところこの旅に終わりなどないのだろうけれど、それもまた楽しみでもあり、その方が自分には幸せな気がする。まだまだ旅は続けていきたい。

 

この日の乗下車駅

上信電鉄
・上州福島
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

         
2月11日